ワートリ 新刊。 『ワールドトリガー』コミックス一覧|少年ジャンプ公式サイト

【漫画】ワールドトリガー最新刊(23巻)発売日と収録話数を調査|漫画大陸

ワートリ 新刊

今日はちょっと最新号のジャンプについて語りたいと思います。 ワートリ読者にとってはすごくショックな知らせがありましたよね、葦原先生の体調が相当まずいことになっているようで 急遽連載を中断することになり、ワートリはしばらく長期休載に入ると…再開時期も不明ということで、 ツイッターでもこのことで嘆きのツイートをしていた人が大勢おり、月曜は 「葦原先生」がトレンドに入るぐらいの騒ぎになってました さらにはこれほどワートリの影響力って大きかったんだと俺も驚きました これだけ多くの人が葦原先生の体を心配しているわけですが… そもそもなぜ葦原先生の体はそんなに悪くなってしまったのか? という点について今日は語っておきたいと思います。 アニメ化の波に乗ってワートリの存在感をアピールするためだったのでしょう、ただ… この2ヶ月連続刊行は 葦原先生にすさまじい負担をかける結果となり、今なお続く体調不良の引き金となってしまったわけです 実際に、この2ヶ月連続刊行を行ったあたりから、葦原先生がちょくちょくジャンプの連載を休むようになりました そんな休載をするようになってしまったある日、ジャンプに掲載された作者コメントがこれです 2ヶ月連続刊行で首と肩がおかしくなってしまったというやつですね… ここで故障してしまった首が問題なわけですよ。 首の異常については葦原先生も病院で診断を受けたようで、 別の休載の時にその結果も明かされていました。 その時の文章がこれです 頚椎症性神経根症の治療のため休載します。 頚椎症性神経根症…この言葉で書くといまいちピンとこないかもしれませんが、 要するに 首の神経に負担がかかっていて、首を動かそうとすると激痛が走るという症状のようです 一般的には、実生活に悪影響が出たりもするらしく、首を動かすことができないから たとえば 缶ジュースなどを飲む時に 飲む干すような動作ができないだとか、 道ばたを歩く時に とっさに左右や後方を振り向くことができないといったような弊害があるみたいですね そして漫画を描く仕事についても相当な弊害が出ているようです。 なんだかアニメ開始のプッシュのために、葦原先生がとことん振り回されてるって感じがしてしまいます そして葦原先生自身も、この時の過度の負担や、特に2ヶ月連続刊行については相当うんざりきていたようです それについては単行本8巻の作者コメントで触れられていますね もう二度と2ヶ月連続刊行なんてやらないというのがそれでして… こんな宣言をしたくなるくらい、この時はさんざんな思いをしたってことのようです。 もはや2ヶ月連続刊行が、ワートリを取り巻く悲劇における すべての元凶 って気がしてきますね… ともかくこの2014年の夏〜秋にかけて、葦原先生は体を壊してしまい、数話に1度は休載を挟まなければ 連載を続けていくことのできない状態になってしまったわけで…その後しばらく時間が経ってどうなったかというと これは故障から数ヶ月後の様子。 2014年の終わりに書いていた作者コメントです。 この中に混ざれなかった葦原先生はけっこう疎外感あったでしょうね ともかく2015年が始まったわけですが、この年の葦原先生は 「数話に1度は休載を挟んで連載する」というペースを ずっと続けていました。 そういう意味では大崩れすることは少なく、定期的に休みを取っている効果が出たのか 首の容態について語ることも減っていったわけで。 こちらとしても、ちょっとは回復に向かってるのかな?と思っていたわけですが… しかしその期待もむなしく、 2015年の年末で再び不穏な状態であることが語られてしまいます そう、この2015年末、葦原先生は調子を崩して連続休載してしまい、 そのことを謝りながら病院に行ったり 「早く治ってくれおれの首」と嘆きのコメントを書いたりと かなりの悲壮感を漂わせていました。 すでに故障から1年数ヶ月が経過したわけですが それでもまだ全然状態は良くなっていなかったようですね… そして年が明けて2016年。 この時期の葦原先生は、 「新しくもらった痛み止めがかなり効いてる」ということを 何度か繰り返し語っていました 痛み止めっていうのがなんだか不安ですが、しかし本人としては「この薬があればいける」という実感があったようで、 ここからは休まずに連載を続けるという意欲を見せていました。 そして実際に、言葉通りここからは休載をしなくなった葦原先生は 2016年の前半をそのままの勢いで駆け抜けたんですよね 休載をせずに半年間を乗り切った葦原先生ですが、これを今後も続けていけるのか?と思ったのもつかの間、 やはりまた首の状態が悪化してしまったようです これは2016年の中期ごろの作者コメント。 「首の調子が思わしくなくなってきた」と再び首の調子が悪化してきたことを明かし、 「また休みを挟みつつやらせてもらいます、申し訳ない」と、やはり休載が必要なことを実感してしまった葦原先生。 そしてこの後は、また定期的に休載を挟みつつ、2015年のようなペースで連載を始めた葦原先生ですが… しかし、そのペースでもキツイぐらいに首が悪化してしまったのか、 とうとう最新のジャンプで限界が来てしまい、長期休載をすることになってしまったということです これがワートリが長期休載になるまでの一連の流れですね…今回のこの話をまとめていて思ったんですが、 とにかく あの2ヶ月連続刊行さえなければ…ってことばかりずっと考えてました あれで首を故障しなければこんなことには…編集部にはそのことを本当に反省して欲しいです 2ヶ月連続刊行って、結局は 短期的な利益のために作家に無茶をさせるってことなわけで、 そんな目先のことのために作家に過度の負担を強いるなんて、あっちゃいけないことだと思うんですよ。 プロ野球でたとえるなら、 大谷翔平に「2日連続でピッチャーやって完投しろ」と言ってるようなものじゃないですか。 大谷は普段から野手として試合に出てて、それだけでも大変なんだからピッチャーをやらせるなら きちんと負担を考えて間を空けるべきなんじゃないのかと。 実際、大谷は中6日ぐらいに間を空けて登板してますよね そんな大谷が2日連続でマウンドに上げられたりしたらどうなるか。 ファンは大谷の連投を喜ぶどころか 大谷の体が心配で心配で仕方ないと思いますよ。 選手をそんな使い方するなって絶対に抗議が来ますよ それぐらいファンの心理としては、無駄な負担をかけないでほしいと思ってるし、こんな短期的に無茶なんかするより もっと健康な体で長期的に活躍をして欲しいって思ってるわけですよ。 しかもこんな無茶をした結果、 大谷が体を壊して今までのように活躍できなくなりましたってなったら ファンの人達はどう反応すると思います?こんなのはもう、 「大谷をこんな使い方して壊しやがってふざけんな!!」って 責任者に対して暴動みたいなものが起きてもおかしくないと思いますよ これは大谷でたとえた話でしたけど、 ジャンプ編集部は これと同じようなことを実際にやってしまったということを自覚して欲しいです。 葦原先生に 「お前ちょっと2ヶ月連続刊行しろ」と指示して大きな負担をかけてしまったんだから。 そのせいで葦原先生の体を壊してしまったんだから。 本当にこんなのはファンとしては許せないことだと思いますよ ちなみにジャンプ編集部としては、今回の長期休載は 葦原先生は連載をしたがってるけど、今の体調でそれは無理だから編集部の判断で休ませたと言っているので それが本当なら、以前よりは作家の負担を考えてくれるようになったのかなと思うわけですが でもね…ひとつ言わせてもらうと、 体を壊した後に負担を考えても遅いんですよ! まず何よりも予防してくれなきゃ困るんですよ、もしも大谷翔平が体を壊してしまったら、 後になってから負担をいくら軽くしたって 今さら遅すぎるんですよ! そのことをジャンプ編集部には分かってほしいとつくづく思います。 何しろ2ヶ月連続刊行は ワールドトリガーの後にも 食戟のソーマがアニメ化した時もやってたからね… 葦原先生が体を壊した後なのにそれをやるのかっていうね… 不必要な負担をかければどうなるかっていうことに、もっと敏感になって欲しいです。 壊れてからじゃ遅いんですよ、人間の体は一度壊れたら簡単には元に戻らないんですよ… [PR].

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ワールドトリガー休載の理由、葦原先生の容態まとめ

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Contents• 自分がベイルアウトしてもそれで終わりじゃない、 動き一つ残すだけで相手の意識を散らして味方に有利な状況にできるってすごいなあって思った。 なんやったら21巻から通して読まざるを得ない。 もっと言えば10巻から通して読まざるを得ない。 究極1巻から通して読まざるを得ない。 ノーマルトリガー同士の撃ち合いってレベルじゃねーぞ!感あって笑う。 あと出水と唯我の反応からして大体察しはついてたけど、とりまるはやっぱ元太刀川隊だったか。 実際、多くの方々が、「漫画バンク」や「zip」「rar」を利用し、無料で漫画を読むことに成功しているんですね。 そこで今回、『ワールドトリガー22巻』を 「漫画バンク」や「zip」「rar」を利用した方法で、無料で読むことはできるのか、 その事実についてそれぞれ一つずつ詳しく見ていきたいと思います! 『ワールドトリガー22巻』は無料の「漫画バンク」で全ページ読むことはできるの? まず、「 漫画村」ですが、こちらご説明する必要すらありませんよね….. ^^; といいますのも、「漫画村」は確かに、ほぼ全ての漫画・小説・写真集・ライトノベルなどの電子書籍が 完全無料で読むことができる歴史上究極のサイトでした。 ……しかし、そんな究極のサイト「漫画村」も、 2018年4月11日をもって、お亡くなりになられたんですよね。 当時は、結構ネットニュース等で話題になっていたことですので、おそらくご存知の方も多いのではないかと思います。 恐らくサイトの運営者が 検索欄からのアクセスページを削除したと思われます。 漫画バンクでトップページより漫画を読む方法はありません! 漫画バンクは検索をしないと漫画が表示されないため、 実質利用が不可能な状態となっています。 「星のロミ」や「漫画村」の時のように、作者が訴えたという情報こそありませんが、影で動いていた可能性もありますね。 これまで漫画バンクのような違法サイトは数々登場していますが、 全て閉鎖という結果になっています。 ですので、 『ワールドトリガー22巻』を無料で読む際には、もう以前のように「漫画バンク」を利用することができない、 というわけですね。 非常に悲しいです。。。。 ……だがしかし!!! 私たちには、まだある希望の光が残っていますよね。 「 zip」や「 rar」といった圧縮ファイルを使用した方法です。 それでは早速、 『ワールドトリガー22巻』を「zip」や「rar」で読むことはできるのか 、 その真相に迫っていきたいと思います! 『ワールドトリガー22巻』は無料の「zip」や「rar」で全ページ読むことはできるの? まず、結論からお話させていただきますと、 「zip」や「rar」で『ワールドトリガー22巻』を無料で読むことは….. できません。。。 結構、3日間くらいかけてネット上を調べまくったのですが、『ワールドトリガー22巻』を「zip」や「rar」を使用し、無料で読むことは 完全に不可能な状態でした。 といいますのも、調べました結果、その理由はちゃんとありまして、 ・ 特殊なソフトがないといけない ・ 本当に昔の作品しか配信されていない という大きな2つの要因があったからなんですね。 上記2点を簡単に解説させていただきますと、まず、 ・ 特殊なソフトがないといけない ですが、「zip」や「rar」は特殊な操作で変形された圧縮ファイルというものでして、作品を見ようとするならば、 解凍ソフトが必要なんですね。 しかし、この解凍ソフトというものがですね、、、 実は基本的にパソコンで使用するものでして、スマホでは、ほとんど対応していないんですね。 そして、 ・ 本当に昔の作品しか配信されていない ということにつきましては、どうやら現在、「zip」や「rar」には、最新の作品や人気作品というのは、ほとんど配信されておらず、ファイルがない状態なんですね。 ですので、 「 古い作品」「 超絶人気のない作品」しか配信されていないんです。 つまり今の時代、 「zip」や「rar」で漫画を無料を読むことはほとんどできなくなった、というわけですね。 それでは、『ワールドトリガー22巻』を全ページ完全無料で読むということは、もう完全にできなくなってしまったのか? ……. ………………. こんなにも多くの電子書籍配信サービスが存在します。 そこで、上記サービスの内の一つを利用することによって、『ワールドトリガー22巻』を 完全無料で読むことができるんですね^^ そこで早速、そのサービスの正体を発表してしましますと……. それは、 国内最大級の動画・電子書籍配信サービスであり、 そして、 アニメや 映画、 ドラマの新作・旧作合わせて、 14万作品。 さらに、今回のメインである、 電子書籍が 計33万冊という超膨大な作品が配信されている、 ……. …………………… 『』 ですね! ….. …………………. で、そこには、もちろんちゃんとした理由があります。 それは、他の6つのサービスでは実現できなかった、以下2つの 最強特典があるからです。 ・ 31日間無料キャンペーン ・ 登録時600円分のポイントをもらうことができる もうこれだけで、『ワールドトリガー22巻』を全ページ完全無料で読むことができるんですね。 どういうことかといいますと、 まず、 『 31日間無料キャンペーン』。 こちらは、名前の通り『U-NEXT』を31日間だけ限定で無料利用することができる、というサービスですね。 どれだけ漫画を読もうが、どれだけアニメや映画、ドラマを観ようが、31日間だけは、一切料金が発生しないんです。 ……かなり衝撃的ですよね(笑) しかも、よく「 初月は無料だけど、その代わり次月からは料金ちゃんと支払ってね」 というサービスが多いのですが、『U-NEXT』先輩は違いました。 そうなんです、『U-NEXT』は、めちゃくちゃなくらい太っ腹なんですよ。 もちろん、そのサービスの充実性から、次月からもお金を支払ってでも継続して楽しみたい、という人がたくさんいらっしゃるので、このようなサービスが成り立っているという部分もありますが^^ しかし、『ワールドトリガー』を読むことだけを楽しみたい方は、 初月で解約してしまっても問題はないかと思います! 解約の方法も「電話」や「面倒くさい手続き」をする必要は一切なく、 サービス内の項目から、ちょろちょろっと1分くらいの入力をするだけ で、簡単にできてしまいます。 しかし、 登録時にもらえる600円分のポイントを使用することによって、その 有料作品たちも問題なく楽しむことができるというわけです。 ですので、 『ワールドトリガー22巻』は有料・無料関係なく、この600円分のポイントがある限り、完全無料で読むことができる、 ということですね。 以上、 ・ 31日間無料キャンペーン ・ 登録時600円分のポイントをもらうことができる 2つの最強特典により、『ワールドトリガー22巻』を全ページ完全無料で読むことができるわけです。

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ワールドトリガー休載の理由、葦原先生の容態まとめ

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ちょっとまって きいてない 一言で言えば、その騒動の始まりの日の、迅悠一の目覚めは爽やかだった。 昨夜の防衛任務は、滞りなく無事に終わり。 同じシフトに入っていた他のボーダー隊員と別れた後、まっすぐ玉狛へ戻って。 翌日が休みだからとつい惰眠を貪りすぎたせいか、意識が覚醒した途端かなりの空腹を感じて階下に向かえば、迅を出迎えてくれたのはほのかな甘い匂い。 「あ、迅さん。 おはようございます」 大きなあくびをしながらキッチンに向かえば、年下の仲間である三雲修が、何かをせっせと焼いているところだった。 「おはよーメガネくん。 なんか良い匂いがするけど、何か作ってるとこ?」 「はい。 千佳と空閑がパンケーキを食べたいそうなので、お昼用に焼いているところです。 良かったら迅さんの分も焼きましょうか?」 「ん、じゃーお願いしよっかなー」 「わかりました。 すみませんが、飲み物は自分でお願いします」 「りょーかい」 彼と他愛もない会話で少しずつ眠気を覚ます実力派エリートは、瞬きをした瞬間視てしまった。 確定はしていないが、そうなる可能性が高い修の未来を視てしまった。 「……うっそだー……」 「迅さん?」 「なん……ちょっとこれはやば……やっばい、どうやって回避できるんだ、これ」 「迅さん??」 冷や汗をかきつつ自分を見つめたまま固まってしまった迅に、心配した修が声をかけても、彼は呻くように「うそだ」を繰り返すばかり。 ちょうど一枚焼きあがったところだったため、修は一度コンロの火を消し、改めて様子のおかしい迅に声をかけようとしたところ。 「三雲、迅がどうかしたのか?」 「レイジさん」 「迅、どうした?」 「……は……え、ええええ!?なんで??ちょっとこれはやばいとかそういうレベルじゃない、やばすぎて本部行ってくる!」 そこに所用で出かけていた木崎レイジが帰ってきて、明らかに様子のおかしい迅とその側に居る修に声をかけた。 ……だが、そのレイジの後ろから顔を覗かせた人物を見て、迅の様子が本当におかしくなってしまった。 悲鳴にというよりも、絶叫に近いそれに驚いた三人は思わず顔を見合わせる。 しかし当人は、こうちゃいられないとばかりに玉狛支部を出て行ってしまう。 「迅さん、一体どうしたんでしょう」 「さあ。 今来たばかりの俺にはさっぱり」 「もしかして、SEで何か視えたんでしょうか?」 「いや、それにしては随分様子がおかしくなかったか?」 あいつはどんな未来が視えたとしても、あんなに明らか様に表に出すような奴じゃないだろう。 そう冷静に判断する木崎が連れてきた客人に、修は今更ながら頭を下げる。 「こ、こんにちは」 「やあ、お邪魔するよ」 「東さん、ちょうどいいから俺たちも飯にしましょう。 三雲、追加分は作れるか?」 「はい、余ったら冷凍するつもりで準備していたので、人数分は大丈夫です。 ただフライパンではなくホットプレートでまとめて焼いてしまいましょう」 なんと木崎が連れてきたのは、ボーダーにおいて最初の狙撃手である『東春秋』である。 ランク戦で対戦したことはあれども、何の連絡もなしにいきなり連れてきた手前。 修が驚いて畏縮するかと思っていた木崎は、多少の動揺は見られても、いつもと変わりのない様子に少しだけ首を傾げてみせた。 「なんというか……意外だったな。 お前のことだから、いきなり東さんを連れてきたら、もっと驚くと思ったんだが」 「えっと」 木崎の師でもある東は、ボーダー隊員達にとって『特別』な一人。 ボーダー最初の狙撃手で、もとはA級一位のチームを率いた人物。 最初の狙撃手としての能力は言わずもがな。 戦況を読むことに長け、その長い経験から数多の隊員から師と仰がれ。 そこに畏敬と畏怖、そして尊敬を集めるそんな人物を前にして、修が多少の驚きだけで済ませていることに、木崎は違和感を覚えたのだ。 「お前、もしかしてすでに東さんと面識があったのか?」 「ぅえっ?!」 「……あったんだな」 木崎としては、別に修を責めて居るわけではない。 ただ、玉狛第二のランク戦を東が解説したり、ましてや実際に戦ったとはいえ、それだけでは東と修の間に接点が見られなかったことと。 そして何より、自分が招いた東自身が今まで全く匂わせていなかったのに、今現在、修を見つめる眼がとても優しいことが気になっただけなのだ。 「すすすす、すみません!」 「なぜ謝る?」 「え、えと、だってその、です、ね」 「三雲?」 先ほどの(意味不明なことを呟いて去っていった)迅といい、今自分の目の前で面白いくらいに冷や汗を流し固まっている修といい、本当にどうした。 そう木崎が純粋に心配すればするほど、修の冷や汗は止まらなくて。 これはいっそ東自身へ問いただした方が早いかと、そう思い至った時。 「ふっ……ふふっ……」 「東さん?」 「ぅ…むぅ」 「修?」 その東が、もう堪えきれないと言わんばかりに、盛大に肩を震わせていた。 しかもそれを見た修の冷や汗が止まった代わりに、なぜかぷくっと頬を膨らませてむくれたのだ。 あの三雲が。 あの三雲が? あの三雲が! 子供らしくむくれた!? 結局我慢しきれず吹き出してしまった東に、むくれたまま真っ赤になって視線を彷徨わせる修。 これにはさすがの木崎も分析不可能な事態に陥り、軽く混乱してしまったのは無理もないだろう。 どういうことかと両者に視線を送れば、その相手は互いに顔を見合わせて。 そして片方は苦笑しながら、そしてもう片方はなぜか肩身を狭くして話した、その内容とは。 「木崎、かわいい俺の甥っ子をそう苛めてくれるな」 「レイジさんのせいじゃないです、春兄さんがいきなり玉狛に来るから……」 「………………え」 「何も言わずに居て済まなかったな。 修……いや、修は正真正銘俺の甥っ子だよ」 「黙っていてすみません。 えと、春兄さん……いえ、東さんは僕の母方の叔父です」 「………………は?」 東に苦笑いとともに告げられ、修にぺこぺこと頭を下げられても、木崎の方はまだ今ひとつ飲み込めて居ないようで反応が鈍い。 さもありなん。 表情筋が仕事をしていない木崎の場合、感情が顔に出るということは少ない。 しかし顔に出ることが少ないからといって、彼が全く驚かないというわけではない。 むしろ表情筋が仕事を放棄しているからこそ、内心では独り言が多い方である。 それに、これでも盛大に驚いているのに修には伝わらず、逆に気を遣わせてしまっていることをどうにかしたいと考えているのだ。 そんな木崎の師でもある東は、こうなるだろうと予測できていたのだろう。 さらに甥っ子だという修の反応も予想通りで、笑いが堪えきれなかったようだ。 だがしかし。 「あー……とりあえず、遊真たちも交えて詳しい話を聞かせてくれ。 それにあいつらも、そろそろ腹が減ったと上から降りてくる頃だろう」 さすが他称玉狛のおかあさん(違)が動じていた時間は短かった。 というか、自分だけではこの衝撃を消化しかねると早々に悟って、いっそ遊真たちを巻き込んだほうがいいと考えたのだ。 「そ、そうですね……」 木崎としては、仕事をしなさすぎる自分の表情筋では、今ひとつツッコミ力に欠けると自覚している。 だからこそ、自分こそが直ぐにでも二人を呼びに行きたいと思っているが、そこは口に出さず黙っていることにした。 「とはいえ、パンケーキだけじゃバランスが悪すぎるな。 よし、俺が適当に何か作るから、こっちはお前に任せて良いか?」 「はい、大丈夫です」 「俺も手伝おうか?」 「「お客様はおとなしく座っていてください」」 「はははは」 二人に断られることを承知でそう申し出た東は、声のハモり具合にまた笑い声を上げる。 そして、フライパンからホットプレートに切り替えたことで、階下のみならず二階にまで甘い匂いが広がれば。 「オサム、おなかへったぞー……ありゃ?」 「修くん、何か手伝うこと……!?」 「やあ、お邪魔しているよ」 「えーと、なんで?」 「レイジさん、あの、なにかあったんですか?」 「はは、まあまあ。 二人ともそう警戒しないでくれ。 とはいえ、玉狛に縁がなさそうな俺が居たら、そりゃあ驚くよなあ。 ふふっ」 「東さん、子供達相手に笑いすぎです」 「ははは、すまん」 「「??????」」 それに釣られ集まってきた遊真と千佳が、東の姿を見てきょとりと目を瞬かせて驚けば、当の東はまた声を上げて笑う始末。 「なんか春兄さんがすみません……」 「……まあ、これが普通の反応だと思うが」 二人が驚く様を見てさらに笑うその姿に、己の師が思いの外笑い上戸だったことを知る木崎だった。 [newpage] ------------------------- 「あっれー、今日はメガネくん来てないっぽい?」 「ありゃ。 じゃあ遊真も居ないんかなー。 つまらん」 出水がボーダー本部に出向いて自隊の作戦室外に居るとき、いつも修を探してしまうのはもはや本能か。 ラウンジに足を向けたものの、目的の人物が見当たらないことに思わず落胆の声を零せば、隣からはそれに同調する声が返ってきた。 その声の主は、出水とよく行動を共にするクラスメイトでボーダー同期の米屋。 しかし彼のそれは修と言うよりも、どちらかと言えば高確率で一緒に居る遊真を見つけて、模擬戦に誘う方が主な理由。 とはいえ米屋も修を『メガネボーイ』と自分だけの呼称で呼び、会えば必ず構い倒したくなるくらい気に入っている方なのは事実だから、居ないと分かれば残念に思う気持ちは否めない。 「ちえっ。 メガネくん、また玉狛に籠もっているとか?気軽にもっとこっちに来ればいいのになあ」 「俺もそう思うけど、正直しょーがなくね?なにせ本人が気にしなくても、ここは隊員の数だけ目も耳も口もあるし。 メガネボーイ本人じゃ無く、周りにいる面子がしんどいってことにダメージ受けるくらいだ。 そういう点でも、ここは過ごしやすい環境とは言いにくいじゃん」 「あー。 俺ボーダーの人間だけどさ、そういうところほんとーにあほくさって思うわ。 そういうことをほざく奴らに限って、昇級できないとかってのが本人の素質云々以前の問題だろ。 大体素質が足りないなら努力はして当然、その上で結果なしにメガネくんより劣る奴が吠えたところで、結局自分が惨めなだけじゃん」 「ん、そゆこと。 お前の言うとおりめっちゃあほくさいけど、それがわからん残念な連中が多いのも事実じゃん? ボーダーに籍を置くって意味、本当に分かってんのかって言いたくなるやつが増えたわー。 ったく、下見て現状に満足するより、上見て己を磨けっての」 それぞれ自動販売機で飲み物を購入しつつ、ちらりと背後のラウンジを眺め。 今ここには居ない、自分たちが会いたがっている人物が居合わせたら、きっと嘲笑や好奇の目を浴びせられていただろうことに思い当たって、揃って肩を竦めてしまう。 「ま、弾バカは弾バカらしく、自分の思うとおりにメガネボーイを構ってやればいーじゃん。 周りなんて気にするだけ損だって」 「勿論その通りだし、元々俺は気にしないって。 でなきゃ射手の師匠として、わざわざメガネくんに教えたりするもんか。 つかそういう槍バカだって、隙あらばメガネくんを構いたいくせにー?」 「それこそあったり前だろ。 あんな面白い後輩、ほっとく方が絶対損じゃん」 「だな」 「だろ」 しかし、修の良さは分かる奴だけが分かればいいという結論に落ちつき、顔を見合わせニシシと笑ってから、そのままラウンジの隅に移動することにした。 「そういや、最近のメガネくんと言えばさあ。 「おう、それな。 どうも遊真のやつ、俺らと模擬戦してる最中ですら、メガネボーイに何かあると本能で感づくらしくてさ。 一番酷かった時は、自分の喉を掻き切って強引に緊急脱出して駆けつけようとしてたぜ。 あの時は遊真からパねぇ殺気がダダ漏れで、さすがの俺様もあれには面食らったわー」 「なんじゃそりゃ」 「なんとかなだめすかして、手順通りに模擬戦を中断してから戻ってきたけどよ。 あの時って結局何があったか、お前知ってる?」 俺、あいつとの模擬戦はとにかく楽しみたいだけなんだけど、あれはないわーと不満を漏らす米屋に、対する出水は眉間にしわを寄せてしまう。 「あー……。 あの時は一緒に居たけど、あれに関しては俺が原因じゃない。 てか俺は普通にメガネくんの質問に答えたり、問題出したり、ついでに効率のいいトリオンの扱い方を手取り教えたりしてたくらい」 「ずりぃ、教えるだけなら別に手取り足取りはいらなくね?」 「ふふん、俺はメガネくんの射手の師匠だからいーの。 弟子とのふれあいは師匠の特権ってやつ。 ちなみにわざとぴったり寄り添って教えると、冷や汗流しながらもそのまま素直に教わろうとするメガネくん、うっかり襲いたくなるくらい可愛かったです!」 「つまりはお前が原因じゃねえか!」 ドヤァ!と胸を張る出水に間髪入れずに突っ込みを入れる米屋だったが、その声にしっかり「うらやましい」という副音声が入っていたのは気のせいでは無い。 「いやいや、あれはほんとに俺のせいじゃないんだって。 あの時の原因は二宮さん」 「へ?」 「俺がこう、正面から向き合う形でメガネくんの手を取って、炸裂弾の無駄の無い作り方をレクチャーしていたらさ。 そこに通りかかった二宮さんが無言でずかずか近づいてきたと思ったら、いきなり背後からメガネくんの身体を抱え込んで」 と言いながら出水がしてみせたのは、そのときの二宮の様子を体現しているらしい、背後から覆い被さって前に手を回す仕草。 「『俺の師匠なだけあって、出水のそれは確かに無駄が無い。 だがボーダー内きっての残念なトリオン量しかねえお前が、真逆に豊潤な出水を真似てやろうとすると、すぐ弾切れになるぞ』ってさあ……ちっちゃいけど俺のより密度の高い炸裂弾作ってみせた」 「……え、なんじゃそれ。 あの二宮さんが?メガネボーイを抱き込んで?まじ??」 「まじも大まじ、俺はそれを正面から見せられたっての!ただ、作っては見せたけど作り方のコツそのものは一切教えなくて、自分で考えろって突き放していたけどなー」 「ほぉー……そりゃすごいことになっていたんだな」 他と全く交流を持たないわけではないが、現隊員たち以外では元隊長であり薫陶を受けた相手である東や、あとは同期くらいとしか基本的に関わりを持とうとしない、あの二宮が、だ。 米屋にしたら一体何が切っ掛けかは知らないが、言葉尻だけなら二宮は修を見下しているような素振りを見せながら、その実、彼なりに積極的に絡もうとしているらしいということだけは十二分に伝わってきた。 「あ、いやでもよ。 それだけで遊真があんなに豹変するか? 大体それくらいであんなぶち切れ状態になってたら、メガネボーイにちょっかいかけまくってる俺らだって、今頃五体満足じゃねーような気がするんだけど」 「ばーか。 勿論それだけじゃなかったんだって」 もの凄く。 もの凄ーく、心底嫌そうな顔で、出水はそのときの詳細を語り出した。 「もうさ、俺の目の前で可愛いメガネくんへの背後から抱きつきとか、べったり密着とか、それだけでむかつくんだけど。 あの人よりによって、メガネくんの耳元に囁くようにして言い聞かせてんの」 「は?」 「想像してみ。 あの二宮さんがだぞ。 有無を言わさずメガネくんを背後から抱き込んで、手を取って炸裂弾の手ほどき……かーらーの、無防備な耳元への囁きですよ、どう思います米屋さん!」 「犯罪臭しか感じねえ」 「だろ!?」 うっかり素直に想像してしまった米屋は、瞬時に後悔した。 なまじ出水の説明に力が入っていたせいで、しっかり脳裏に思い浮かべてしまった。 そう、困惑しきって冷や汗をかきつつも素直に抱き込まれたままの修と、抵抗がないのを良いことに、耳元への囁きを追加する二宮を。 ……そしてそれを見せられ、とっさに反応できず固まったと思われる出水の姿も、全部リアルに想像してしまった。 「もうね、メガネくんは最初こそ青くなってたけど、まさかの二宮さんのアドバイスに、咄嗟にそのままの状態で後ろを振り返ったんだぜ? メガネくんが耳元へ囁かれている状態で振り返ったら、二宮さんはそのままチューできる距離だっての、ずるくね?」 「はあああ?!なんだその羨まけしからん状態!」 「さすがにメガネくんは、ギリギリ顔がぶつかる手前で止まってたけど、あれ絶対、二宮さんの計画的犯行だった」 だって俺、二宮さんが舌打ちしたのばっちり聞こえたし。 ぶーぶーと不満を漏らす出水に、ことの詳細を聞かされた米屋は開いた口が塞がらない。 「はー……。 俺らが出てきた時には別に変わった様子が無かったから、それは知らんかったわ」 「ま、あのままだったらちょっと俺も黙ってられなかったんだけど、ちょうどいいところに東さんが通りかかってさ。 東さんから呼ばれたら二宮さんが行かないわけにはいかなくて、さすがにメガネくんから離れて行ったんだけど……もうね、あの時は俺の心が重傷だった」 「うわー、ご愁傷様」 しかし、その分を取り戻そうとするかのように修にくっついたところに遊真がやってきて、別の意味で射殺されそうな目には遭ったのだが。 「二宮さんかあ……。 そういや二宮さんもだけどよ、ぶっちゃけ最近二宮隊全員でメガネボーイを落としにきてねえ?」 「わかる。 犬飼先輩は特に顕著だけど、あの辻がめっちゃメガネくんのこと気に入ってるの、隠そうともしねえもん」 「まじ?めんどくせー、まじめんどくせー。 特にとっきーが、遊真の扱いがうまいんだよな。 事実、遊真もすげー懐いてるし。 ま、佐鳥はどうか知らんけど」 「確かに。 あの木虎はいちいち文句を言ってるけど、なんだかんだでツンデレなだけで、結局はメガネくんのことを邪険にしてるって訳でもないしな。 俺も佐鳥は知らんけど」 出水と米屋がセットで修を構うように、最近二宮隊が、そして嵐山隊がそれぞれ団体で修に構うようになってからというもの、鉢合わせることも増えてきたのだ。 しかしそれでも、自分たちは修と接することが嬉しいからついつい賑やかにしていれば。 当然それを見た他のボーダー隊員らの、羨望と嫉妬と不満と好奇の眼差しが、修ただ一人に向いてしまうのも事実だった。 ……それらを一蹴するためにも、あいつには自力で俺らのところまで登り詰めて貰うしかない」 「そうねー……ってうわ!」 「そうだよな……ってうわあ!」 修の良さは分かる人間だけが分かっていればいいと思いながら、彼に向けられる負の感情に苛立たないかと言われれば、それはまた別の話。 そう二人がため息を零していたところに、割って入る第三者の声があった。 [newpage] --------------------- 同時刻。 東と共に本部へと向かっていた修は、一度だけ鳴ったサイレンと、それを点検のためだと告げるアナウンスに空を見上げて足を止めていた。 「点検作業……?おかしいな、何も聞いていないが」 「春に……東さんも知らされていないんですか?」 「ああ。 なんだろう、鬼怒田さんが何か新しいシステムを試しているのか?」 そう言いながら東はアナウンスを鵜呑みにせず、瞬時に警戒態勢に入る。 修も何かあれば対応出来るようにトリガーを握りしめて周囲を見渡すが、アナウンスの通りどこかに門が開いた気配は感じられなかった。 「ん?」 「どうしたんですか?」 「いや、今度は本部から緊急の招集が」 「え」 周囲に意識を向けたまま東がトリガーを修に見せれば、それはボーダー隊員にだけ聞こえる招集音を響かせている。 「でも警報が鳴り続けているわけでなし、特に危険があるよう呼び出しじゃないな。 よし、このまま一緒に急ぐぞ」 「は、はい!」 そろそろ本部が近いということで、律儀に呼び方を改める修に苦笑いする東だったが。 トリガーへの本部から自分を呼びつける知らせに、何か異変が起こったかと急ぎすぐ本部へつながる扉へ急ぐ。 それにどうしても、先ほどのサイレンが気に掛かる。 とはいえ自分を呼びつけるだけで、修へ招集はかかっていないことに危険はないと判断し、当初の予定通りそのまま一緒に向かうことにした。 「念のためトリガーを起動させておこう。 どうせ行先は本部だ、今起動しても問題はないさ」 「わかりました」 「俺はこのまま城戸司令のところへ向かうが、おさ……修はどうする?」 「そうですね……。 あ、ちょっと調べ物をしたいので、僕は資料室へ。 東隊の皆さんへ話すのは、別に今日でなくとも構わないかと」 「そうか?俺としては、こういうことは早いほうがいいと思うが」 「……あのですね。 東さんがいないのに、僕だけ作戦室へお邪魔しても仕方がないでしょう?」 東が自分たちの関係を、直ぐにでも隊員達に打ち明けたい気持ちはわかる。 しかし、だからと言ってこのまま修一人が東隊の作戦室へ出向き、自分たちは血縁関係ですと話したところで、はいそうですかとすんなり受け入れてもらえるとは到底思えない。 ……むしろ急に何を言い出したのかと、胡乱なまなざしを向けられる未来しか見えない。 東は狙撃手の始祖としての才能よろしく、有事の際は文句なしに頼りになる存在である。 そしてボーダー内では数少ない、成人を過ぎても現役の隊員として前線に立っている。 だからなのか、公私ともに相談にくる隊員は多いし、それに対して東も真摯に対応しているので、皆から向けられる信頼がとても厚い。 ……が、そんな東にも、公にはあまり知られていない厄介な性格があった。 「別に身内贔屓でなくとも、修はいい子だと俺は断言できるぞ?」 「だから。 そういうことではなく」 「もちろんうちの隊員たちもな」 「春兄さん……」 修がうっかり春兄さん呼びになるほど、叔父の性格が変わっていなかったことにがっくりと肩を落とす。 そう、なぜか東は一度己の内側に入れた相手を、無条件に己の庇護下に置いて守ろうとするのだ。 そして血縁者である修には輪を掛けて甘い。 本当に甘い。 今でこそ年長のボーダー隊員としての立場が歯止めをかけているが、学生の頃の東は香澄が呆れるくらい、甥である修を猫可愛がりしていた過去がある。 しかもそれは『甥を猫かわいがりしている叔父』という、もしかしなくともボーダー隊員達に知られてはいけない素顔だ。 勿論、叔父が甥を可愛がることに問題がある訳ではなく。 それが恐らく大半のボーダー隊員達が抱いているであろう『東春秋』像を、木っ端みじんに打ち砕くタイプのものだからこそ、修は真剣に、この甥馬鹿な叔父の事を心配していた。 ……そう。 今まで抑圧されていた東の甥馬鹿が、どこでどう暴走するかと内心ヒヤヒヤしているのである。 香澄曰く『春秋は修が可愛すぎて、恋人が出来ても長続きしないみたいなのよね』との事だ。 それが嘘か誠かは知らないが、修としてはあまり自分に構い過ぎるのは、叔父にとっては良くないことだと思っている。 だがそれは、修が予想していないところで発揮されようとしていた。 「あ……」 「どうした?」 「なんでしょう。 僕にも招集がかかったみたいで……」 「なんだって?」 恐る恐る己のトリガーをみせる修に、東の表情が抜け落ちた。 流石姉弟というべきか。 どんな時でも表情が変わらない香澄ほどではないが、東の表情もそう大きな変化があるわけではない。 玉狛で見せたように大笑いするときもあるが、あれは余程ツボに入った場合だ。 それなのに、東の表情が抜け落ちた。 固まったのではなく、抜け落ちたのだ。 東のこれを、修は昔一度だけ見たことがある。 それは修がまだ三門市に越してくる前の事。 まだ一緒に暮らしていた東が、甥が変質者に襲われそうになったところを助け、相手を叩きのめして警察へ突き出した時だ。 「春兄さん?」 相当ショックだったのか、修はその時の事をよく覚えていない。 しかし東が激怒した時、表情から喜怒哀楽を全て消すのだという事だけは、しっかりと記憶に残っていた。 「……城戸さんたちは、また何か、修に押しつけるつもりなのか?」 「春兄さん落ち着いて下さい!まだ招集が掛かっただけですから!」 そのままぼそりと呟かれた言葉に、修は呼び方を戻して東の意識をこちらに向けようとする。 しかし、それに反応を示した東は、にっこりと笑って見せたのだ。 「唐沢さんと違って、あの城戸さんが俺とお前の血縁関係を知らないはずがないんだけどなあ」 「そ、そうですか」 「それなのに一緒に呼び出すとか。 一体何だろうな?」 ただでさえ不可解なサイレンとその説明のアナウンス後の招集なのだ。 東が警戒するのも無理はない。 ……が、今の修としては、叔父の笑顔が物騒なモノに見えて仕方が無い。 正直、こんな時に東が母と姉弟であることを痛感したくなかった。 何せ暴走したら母でさえ宥めるのが大変なのに、修一人ではどうやって東を止めたら良いのか分からない。 「さあ行くか。 ……大丈夫。 今度はお前にばかり押しつけさせないから」 「…………」 安心させるためなのか、ぽんと肩に手を置いて先を急がせる東に、とりあえずコクンと頷いて返事とする修だったが。 出向く前から激しく感じる胸騒ぎに、どうか東がぶち切れるような事になりませんようにと願うばかりだった。

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