わたし は 愛さ れる 実験 を 始め た。 わたしは愛される実験をはじめた。第57話「デートの待ち合わせで心を奪うためにできること」

動物実験: ぎんなんday’s

わたし は 愛さ れる 実験 を 始め た

こんばんはー愛蘭でっす いま自分の作品見返してたんだけどグダグダだね! 話進むのおそいね! ざついね! もう悲しい!オネーさん悲しい! 今回は何時にもまして雑です。 ごちゅーいください! デクちゃんがめっちゃ冷静に個性のこと話してます。 そして後半一気に進みます。 文章力皆無でゴメンね! [newpage] あれから私は数週間に一度の頻度で毎回違う人たちとあの拷問のような戦いを強いられた。 時には翼と角が生え、尖った尾を持つ悪魔のような見た目の人と無理矢理戦わされたり。 時には体の傷口から赤い蛇のようなものを出して操る人と戦わされたり。 戦っていくうちに何個か分かった事がある。 どうやらこの個性は ・欲しいと思った個性を持つ人に触れるor死の危険を感じる事 によって使うことができるらしい。 触れれば奪える、死を感じればもともと奪っていた個性が暴走する。 そして ・一度奪った個性はもう戻らない。 一生私の中で生き続ける。 他には ・奪った個性をMixすることも可能。 ・強個性であればあるほど身体への副作用が強い。 その為、あの拷問時に個性を奪うには相手の個性に触れるか死を感じるかしかない。 相手も戦いなれた猛者ばかりなためそう簡単に奪うことも出来ない。 それに、奪えない私はただの無個性。 勝てるはずもなかった。 そして痛め付けられて、死の危険を感じて、最初のバケモノ・・・グールと言うらしい。 それの個性がでて相手を食い殺す・・・。 ずっと悪循環。 脱走しようとしてもセキュリティが万全で出来ない。 この個性を使うには「死を感じる」という条件が必要なため、これを使って逃げることも出来ない。 何度も死のうと思ったが、奪った個性の効果なのか個性を使ってない時の身体能力や自己治癒能力が異常なほど上がっていて 手首を切っても直ぐ塞がってしまう。 それに死にそうになっても本能が死ぬということを察知して嫌でも個性が出てしまう。 グール等の個性は再生能力を持っているため完璧に死ぬ前に生き返ってしまう。 最悪だ。 もうこんな地獄のような日々、止めてしまいたい。 早く死にたい。 誰か殺して。 [newpage] でもある日。 私の世界は一気に変わった。 その日、騒音で夜中に目が覚めると扉が壊れそうなほどに体当たりされていた。 誰か来るのだろうか、とじっと見ていると バタンッ!と音がしてその扉は勢いよく壊された。 扉だけじゃなく壁の殆ども吹っ飛ばされてた。 そして金髪でムッキムキの人がいた。 アメリカンな戦闘スーツを着ていて、一瞬でその人が誰なのか、分かった。 私が毎日、助けを求めた人。 いつか、いつか助けてと心で叫んでいた人。 小さいときからずっとずっと憧れている人。 その人は壁を壊したことによる煙の中から出てきた。 私が何度も夢で見た、あの心から安堵する笑顔で。 「今までずっと恐かったな、少女!でももう大丈夫!」 ____貴方は 「私が来た!!」 「オールマイトッ・・・!」 [newpage] 私がいた実験所は今までにも沢山の違法人体実験や殺人を行っていた所らしく、先日やっと居場所を掴んだヒーロー達が何人も来て、あの実験所の人達は無事捕まった。 私は昔親を殺したけど、戸籍や名前等私の存在を証明するものすべてを消していた実験所のお陰?なのか、殺人犯としてじゃなく保護された。 私は名前や何時から実験所にいたのかなどは分からない、と言って実験所であったことはすべて話し、個性が人工的に植え付けられたことも話した。 それがどんな個性なのか、も。 名前などを伏せたのは捕まらないため。 警察は私を 赤ちゃんの時に実験所に売られたのだろう、と決めた。 保護されてから特別病院で個性の調整や制御が出来るように訓練をし始めた。 制御が出来るようになってきて少したったあと、緑谷さんという優しい夫妻のもとへ 私は引き取られることになった。 緑谷さん夫婦は子供に恵まれなかったらしく、他所の子の私をとても大事にしてくれた。 緑谷さん達は私を引き取ると決めたとき、 「この子は私たちの本当の子みたいだわ。 目も髪も私たちとそっくりなんですもの。 」 と幸せそうに話していた。 私も、緑谷さん達はもしかしたら私の本当の親なんじゃ、と思う。 引子さんは私と髪の色がそっくりで、目もおんなじまあるい形。 久さんも私と髪の質が似ていてモフモフしている。 私は本当のお母さんとにている所なんて少しもなかった。 だから、私はすごく喜んだ。 なんだか本当の親子みたいで。 そう言うと緑谷さん達は あなたを産んだわけじゃないけど、私達はあなたの親よ!とポロポロ涙を流しながら頭をなでて、ぎゅっとしてくれた。 緑谷さん達にぎゅっとされるとすごく暖かくて幸せになった。 そして、緑谷さん達は私にプレゼントをくれた。 「僕たちにはいつか子供が出来たらこの名前をつけよう、って決めてた名前があるんだ。 」 「出るに久しいと書いて出久。 もらってくれるかしら・・・?」 出久。 「私の、名前・・・!ありがとう・・・!」 その名前はまるで私のためだけに生まれたみたいにすんなりと私に馴染んだ。 私は緑谷出久になったのだ。 [newpage] 緑谷さんに引き取られてからも私は病院に通い、個性の制御を確かなものにしていった。 その病院は個性や身体能力を伸ばす訓練もしていたので私も受け、個性はもちろん身体もメキメキと成長していった為、多少の個性の効果があるにしろ個性を使ってない状態でも大分強くなった。 そして15歳の冬。 私は恩人であるオールマイトの母校、雄英高校を受験した。 病院通いの都合上、小・中学校は行かなかったが代わりに家でひたすら勉強していたので、そこの問題はないだろうと病院の医師に言われている。 個性もほぼ完璧な程に制御出来るようになっていたから、 欲しいと思った個性に触れても個性を使ってなかったら奪わないように出来る。 むやみやたらに個性を奪わなくなれたのだ。 しかし一応念の為、個性の暴走を抑える薬と特殊チョーカーを持っている。 薬を飲めば暴走の勢いを弱めることができ、グールになって人を沢山食べてしまう、といった事件の可能性を低めれる。 チョーカーも同様で、個性の使用を押さえたり、もし暴走をしたときでも私を冷静にさせる特殊効果がある。 まぁ、そういうことで私は実質個性なしの状態で試験を受けることになる。 いくらかは個性の効果があるし鍛えているけれど、やっぱり緊張するし落ちたらどうしようという不安も一杯ある。 でも、お母さんやお父さんはわざわざ雄英高校のある市に引っ越してくれて 必死で応援してくれている。 その期待に応えれないなんて娘失格だ。 「絶対に、受かるからね!」 お母さんにそう言って靴を履く。 「きっと、大丈夫よ。 」 お母さんはやさしく微笑んでそう言ってくれた。 お父さんは単身赴任中で居ないが、行く前にお父さんも応援してくれた。 「絶対大丈夫だ。 だから胸を張って。 頑張ってくるんだぞ。 」 そう言ってくしゃ、と頭を撫でてくれた。 「出久、行ってらっしゃい!」 「行ってきます!」 雄英高校、絶対に受かるぞーー! [newpage] ひゃーー疲れましたーー! すいません、めっちゃ雑い。 あと話とか設定がけっこうめちゃくちゃですね汗 オールマイトのしゃべり方いまいち分からん! えーっと出久ちゃん歴史を詳しく見てみるとーー。 小1でモブ母壊れる。 小2で母親とかを殺して逃亡、実験所にラチられる。 小3でオルマたちヒーローによって助けられる。 緑谷夫妻に引き取られ、緑谷出久となる。 中3に原作の所に引っ越す。 って感じですねぇーー。 いやー歳月進むの早すぎやろ!てなるでしょうが、仕方ない。 一度奪った個性はずっと使える。 返すことは出来ない。 一度に複数の個性を使うことも可能。 でもやると大分エネルギー消費する。 個性を使いすぎると昔奪った個性が暴走して出てくる。 個性を使ってなくてもっていうか封じてても、個性の副作用的な感じで基礎身体能力が上がってる。 めちゃくちゃ強い。 めちゃくちゃ賢い。 めちゃくちゃ可愛い。 オールマイトは普通に好きって感じだったけど、助けてもらったことによりオルマオタクとなった。 ブツブツも健在。 今奪っている個性は(主に使えるの) グール 人狼 悪魔 紅蛇 エトセトラ(書くのめんどい) 紅蛇はオリジナル個性でふ。 傷口から出る血を操って猛毒の蛇に出来る。 次回は試験編です! やっとお茶子ちゃん書けるーー!.

次の

【実験動画】自由だ!初めて「フリーで留守番」をしたフレブル。その行動に胸が締め付けられる

わたし は 愛さ れる 実験 を 始め た

スマホのめざましが鳴る四十分前に目をさました。 今日はテラサキさんとのデートだ、と飛びおきたけれど、その前に会社だった。 そわそわした気持ちのまま出社準備をして、メイクをして、いつもは飲まない紅茶を淹れた。 職場で、新規顧客の名簿をエクセルに打ちこみながら、なぜか甲子園にいどむ高校球児はこんな気持ちなのかなと思った。 つまり、ぶるっとした。 鏡の前で、あらかじめ前夜にセットした服を着る。 リブタートルの半袖ニットに、ミディ丈のフレアスカート。 ヒールは足が一番きれいにみえる七センチヒールにしようか、歩きやすい五センチヒールにしようか迷った、けれど、ここは意地でもシャム猫みたいに美しく歩いてやるわと七センチの方を選んだ。 メイクもばっちり、夜のデート仕様だ。 玄関のドアノブに手をかけた。 あ、と、そこで手をはなした。 ふうっと息をはくと、バッグからピーチミントを一粒とりだして、がりっと噛んだ。 そして扉をあけた。 中央改札をでたあと構内をみあげると、黒くて、直線的で、あいかわらず京都がピンチになったときにロボットになって助けてくれそうな雰囲気だった。 駅を出ると、その永遠のライバルみたいな感じで、白くて、にゅっとした京都タワーが光っていた。 目の前のロータリーにバスがとまった。 バスから降りてきたスーツや私服の京都市民たちに道をゆずった。 マーク・バイ・マークジェイコブスの腕時計をみた。 もうすぐ、八時だった。 あの足下にあるスタバ前だった。 以前の私だったら、すぐにスタバ前にいって待っていただろうなと思った。 一分でも遅刻したら嫌われるかもしれないし、時間前から待っているのが健気で可愛い感じがするから。 しかし、私は京都駅前で首をふった。 でも相手はタイガー(モテる男性)のテラサキさんだ。 女性を見抜くセンサーはピカイチだろう。 健気に女子が待っていても「へえ、俺を好きで必死なんだな」と判断されるだけ。 初っぱなからポジションが下がってしまう。 京都の夜空に息をふんとはいた。 ここは恋愛認知学の〝デートの待ち合わせに、あえて数分ほど遅刻してポジションを作る〟という〝遅刻メソッド〟を使うときかもしれない。 出会い頭から、さっそくモテる女のスタンスをつきつけるのだ。 まさかイケメン相手に遅刻してみせるなんて。 ちょっと誇らしかった。 そのとき大学生くらいの黒髪カップルに声をかけられた。 ドナルドダックのストラップをつけたスマホを手にしていた。 「すいません。 あの、写真とってもらえませんか?」 状況を飲みこんだ。 その京都旅行にきたらしい男女は京都タワーを背景に記念写真をとってほしいらしかった。 私はスマホをかかげた。 その画面に、京都の夜と、京都タワーと、大学生カップルが映った。 素敵な写真をとってあげるから、と、そのとき画面のなかで京都タワーが白く震えているのに気づいた。 京都市全土を直下型の地震が襲ったわけでなかった。 デートをひかえて緊張しているんだ。 どうにか写真を撮って、スマホをわたしたあと、私はクルッと方向転換した。 やばいやばいやばいやばい。 あと十五分くらい。 京都駅のなかにもどって、ぐんぐん進んだ。 そして灰色のタイルの上を歩きながら考えた。 スマホの〝恋愛認知学メモ〟を読みかえした。 ベニコさんから学んだメソッドやマインドを書きだしてあった。 京都駅をこそこそ歩きながら読みこんだ。 そこには、こうあった。 【出会い頭の三手メソッド】 デート前の緊張は〝未来がどうなるかわからない〟という不安からやってくる。 だからこそ〝未来でどう行動するか?〟を、あらかじめ考えて準備することで緊張は減らせる。 具体的には、出会い頭にしゃべることを三つ考えておくこと。 まったくイメージできない未来におびえるだけなのがパンケーキ女。 少しでも未来を作りだそうとアクションできるのがモテる女。 「なるほど」と、私はいった。 気づけば京都駅を歩ききって、東の端にある劇団四季の京都劇場についてしまった。 いつのまにか床のタイルもレッドカーペット調になっている。 そのまま赤い階段をのぼって、劇場に入りかけたところでハッと我にかえった。 オペラ座の怪人をみてる場合じゃない。 エントランスの前で胸に手をあてた。 ふうと息をついた。 残りの時間を、テラサキさんになんて声をかけるべきかを考えるために使うことにした。 おびえるだけじゃない。 タイムマシンがなくても未来は変えられる。 パンケーキ女を卒業するんだ。 一手、二手、三手、と考えてやろうじゃないの。 頭のなかでテラサキさんを想像した。 仕事帰りだからスーツだろうな、ちょっと余裕のある感じで。 LINEでは日本酒の話で盛りあがってたけど、ほかに話題はあったかな。 フランクシップを築けたから誘えたんだし、たぶん、かしこまった雰囲気はNGだろう。 海にもぐるみたいに、ふっと心が静まるのを感じた。 未来をイメージすることで、じんわり緊張はおさまるみたいだった。 想像してドキドキするだけじゃなくて、その未来像のなかで、どう行動するかまでを考えるのが大事らしい。 たぶん未来はコントロール不可能な怖いものじゃない。 むしろ自分のアクション次第で形を変えられるはずだ。 これまでの愛される実験で、それを実感してきたんだから。 時計をみると八時十五分だった。 そろそろテラサキさんが到着したはずだ。 よし、いこう。 このまま四分くらい遅れて合流しよう。 劇場のレッドカーペット調の階段を、七センチのヒールで、慎重に、最上級のセレブみたいに降りながら歩きだした。 大丈夫。 恋愛認知学がついている。 もはや〝遅刻メソッド〟と〝出会い頭の三手メソッド〟で準備万端。 まさかデート前から、ここまで考えることがあるなんて。 気分はモテる女のつもりで、京都駅をぬけて、ロータリーを通過して、横断歩道をわたって、京都タワーの下にあるスターバックスにむかった。 すると遠目に、テラス席の前で、高身長のスーツ姿をみつけた。 ドキッとなった。 「あの」と、声をだしかけたところでおどろいた。 全然、イケメンじゃなかったから。 というか、テラサキさんじゃなかった。 あわてて遠ざかって周囲をみまわした。 テラス席の周辺を、スタバの店先を、ガラスごしの店内を、路上の通行人を、向かい側の歩道を。 三十秒後、状況を理解した。 肌がぞわっとした。 時刻は、八時十九分。 テラサキさんの姿はなかった。

次の

[RJ282815] (AreaS) 痴愛エクスプレス ~わたしを追いつめる彼の指先~ の作品情報を紹介

わたし は 愛さ れる 実験 を 始め た

オクムラさんとは、あれから二回デートをした。 暗い映画館から外にでるとぼうっとなった。 主人公のドラマチックな純愛が乗り移ったみたいだった。 つい恋をしたくなってしまう。 寺町タリーズの二階のソファで感想をいいあうと、一層、その感覚は強まった。 見終えた映画の話をして、さらに感情を深めるという二段構えの技だった。 宇治抹茶ラテのカップを手に、オクムラさんと目があうとドキドキした。 そして互いにドキドキしていることもわかった。 恋愛認知学のメソッドには一つだけ欠点がある。 効きすぎてしまうこと。 愛される前に、愛してしまわないように心を強くひきしめなくてはいけなかった。 それから三条商店街のまんなかで「三嶋亭」の老舗のすき焼きを食べた。 テーブル席に空きがないということで、偶然、個室にとおされた。 床の間に掛軸まであるような和室で、ちょっと大人のデートだなと思った。 気のいい仲居さんが、じゅうじゅうと春菊や牛肉を焼くのを横目に、瓶ビールをついで、オクムラさんは仕事の話をはじめた。 いつも帰りが遅いとか、業務が多いとか、転職を考えているだとか。 「ミホさんには、なんでも喋ってしまうな」と、オクムラさんは白飯をたべた。 そのとき、私は口につけたグラスをとめた。 「あ、その台詞は、モテない人間だと主張することになってしまうのに」と冷静な自分がいた。 モテる人間のふるまいをすることで、異性の気をひくという恋愛認知学の教えに反してしまう。 デートでは、私は人生を楽しめていません、なんて話をすべきじゃない。 どんなときでも人生を楽しもうとアクションしている、と伝えるべきなのだ。 想像以上のネガティブトークだった。 私は箸を手に、せっかくのすき焼きとビールなんだから、もうすこし楽しい話をしたかったのにと思った。 視線を落として、お皿のすみで、くたくたになった青ネギをつついた。 そんなんじゃ、女心はひきつけられないのよ。 その日から、オクムラさんからLINEがきても心躍らなくなくなった。 既読をつけたまま放置でも気にならない。 数日後に返信することさえあった。 あれほど即座に返さないと心配だったのに。 なにげなさそうな文面は、このあいだ教えた四条のそば屋の感想だったけれど、返事がないのを気にしているのがわかった。 男性というものは追えば逃げるのに、こちらが気のない態度をとると、あわてて追いかけてくるものらしい。 もちろん、これも恋愛認知学で説明できる。 わざとではないにしろ。 そして考えてみれば、これはいままで、私が、さんざんモテる男たちにされてきたのとおなじことだった。 彼らは女に対して、実に、そっけない態度をとる。 それでどういうわけか、こちらとしては、ぐんぐん心を奪われてしまうことになる。 こんどは私がモテる女として、異性に、そういうことをしているわけだ。 『次の土曜飲みにいきません? 上司に教えてもらった焼鳥屋が美味しいんです』 そんなときに、オクムラさんから誘いがきた。 いつのまにオクムラさんがアピールをして、私が、それを受け入れるか判断する立場になっていた。 完全にポジションはこちらにあった。 気に入らなければ、せっかくの休日をあなたに使うわけないわよ、というふうに。 私はカーペットの上で、ベッドの側面にもたれた。 ニトリの家具がきしんだ。 三回目のデートか。 なにかあるかもしれないと思った。 約束の夜、京阪の神宮丸太町駅におりた。 地下から階段をあがると、すこし季節を巻きもどして真冬のような風が吹いた。 待ち合わせ場所の交差点はすぐにわかった。 すぐ側の河原で、鴨川が、黒い水面にゆらゆら町あかりを映していた。 その光景をみつめているうちに、ふと悲しくなった。 理由はわからない。 いや、予感していたかもしれない。 のこり少なくなったページを気にしながら、そっと一冊の本を読み終えてゆくような感覚だった。 案内されたのは屋台風の焼鳥屋だった。 軒先にビニールシートをはって、その空間を、中央においたストーブが暖めていた。 鉛筆と注文用紙を手に、あれもこれも美味しかったよなと、店員にわたしながら、オクムラさんの様子がおかしかった。 なにかを焦っているみたいだった。 ビールを飲んで、串にさされたモモ肉やピーマンや砂ずりをかじって、だまったかと思えば、急に実家や職場の話をはじめたりした。 前の恋人は、仕事に悩みすぎたあげく、一方的にわかれを告げたのだとも語った。 そのあと、ちらっと私の顔をのぞいた。 だからと目をあわせるとそらした。 はいと手札をひろげて、なんでもかんでも隠さず言葉にされてしまうと、女としては、どこに惹きつけられていいかわからなくなる。 私はあいづちをうちながら目の前の男性をみた。 素敵な人だった。 もう一度、好きになれるだろうかと考えてみた。 その瞬間、とっくに、私のなかでなにかが過ぎ去ってしまったのを感じた。 会計のとき、いつものように半分だそうとすると「払わせてください」とオクムラさんはいった。 いつになく真剣な表情だった。 私は財布をひっこめた。 基本的には女も会計を負担すべきと学んだ。 けれどいまがその例外なのだと思った。 お店をでると粉雪がふっていた。 横でオクムラさんはなにかいいたそうにしていた。 けれど口からでたのは、これも最後の雪かもしれませんねと、あたりさわりない感想だった。 「あの」その駅までの帰り道、オクムラさんは細い声でいった。 「今日は手をつなぎませんか?」 私は反応できなかった。 心のなかの答えに気づいてしまったから。 むしろ、どうすればオクムラさんを傷つけずにいられるだろうと考えた。 すると急にオクムラさんが足をとめた。 「あの、すいません」 「はい?」私も足をとめた。 数秒後、それ自体が返事になっているのだと気づいた。 「なんていうか」オクムラさんは足もとをみた。 地面はとけた雪で雨つぶのようにぬれていた。 「すごく話しやすくて、素敵な人だなって思ってました。 今日、ちょっと変な感じだったかもしれないけど、ずっと緊張してて。 あの、もし、よかったら付き合ってもらえませんか」 「私、ですか?」 つい口からでたのは的外れな言葉だった。 ひさしく、こんなふうに告白されたことなんてなかったから。 頭が混乱した。 顔がほてった。 恥ずかしかった。 でも、うれしかった。 「無理そうかな」オクムラさんは髪をかいた。 そんなことないですよ。 やっぱり男性と目をあわせるのは緊張するし、LINEできる男性なんていないし、彼氏にはフラれたし、歳も歳だし、将来のことを考えると落ちこむし、町でイケメンをみるとため息がでるし、若い女の子の悪口なら朝までいえるし、いまだに男の人ってなに考えてるかわからないし。 でも、だめだ。 口をぐっと結んだ。 「その気持はすごくうれしいです」私は首をふって、あいまいな表情をつくった。 そして頭をさげた。 「でも、すみません」 私のことを好きでいてくれたのは事実だから。 そのことに感謝しよう。 だからこそ、ここは強がらなくちゃいけない。 そう、私はモテる女なのよ。 オクムラさんは大きな息をつくと、どこか肩の荷のぬけおちた顔をした。 私は、オクムラさんをおいて地下の駅にもぐる階段をおりた。 最後、ふりかえって目をあわせたときの、さびしそうな表情はこれからも忘れそうにない。 「さよなら」といえずに「また」といって別れたのだけれど。 かすかに雪のついたバッグに手を入れた。 できた女でもないのにハンカチなんかあるわけなかった。 代わりにどこかでもらった薬局の割引券つきのポケットティッシュをだした。 ありがとう。 あなたのおかげで少しだけ愛を知ることができた。 「だっていい人だったし。 感覚もあったし。 ずっとLINEも続いたじゃないですか? ていうか告白されたんですよ? いまでも思いだすだけでビール二杯はいけますよ。 女性ホルモンがうなぎのぼりです。 肌も若返った気がするし。 ほんと、どうしよ、どうしよ、どうしよ」 「ねえ、パンケーキちゃん。 ひとことだけいわせて」ずんぐり体型の女性は微笑んだあと、その口紅をうごかして、濃いアイメイクでにらんだ。 「極めてうるさい」 品のいいブラックスーツ。 ワンカールした黒髪ボブ。 アメリカンな濃い化粧。 春を前に、あいかわらず海外映画のキャリアウーマンという雰囲気だった。 「いっときでも心をかよわせた男に情けが残るのはわかる」ベニコさんはいった。 「でも、あなたは自分を幸せにするために生きてるのよ。 「愛はシビアよ。 あんたは、結局、その男じゃ物足りなくなったのよ。 恋愛認知学を身につけて男を見る目もかわったはずだから。 例えばネガティブな話をしたり、自らアクションできない男に魅力を感じなくなったはずよ。 それは期待や、緊張や、妄想なしに、本当の意味で、男をみられるようになったということなの」 「そうなのかな?」私は首をかしげた。 「自分ではわからないけど」 「女としてのレベルがあがったわけね」 「え、ほんとですか?」 「猿が原始人くらいになったんじゃない?」 「全然だめじゃないですか」 「やっと狩りをおぼえたってことかしら」ベニコさんはいった。 「これから女として成長するたびにますます男が子どもにみえてくるはずよ。 そして、男が子どものようなものだと心得ている限り、あなたはすべてを知っていることになるわ」 「でも、このまま一人なんじゃないかなって怖いんです。 ベニコさんは赤い布ばりの椅子に足を組んでいた。 カップを手にしていた。 優雅に口にはこんで、テーブルにおいたあと、いつもの笑みを浮かべた。 』の小説化・漫画化が決定しました。

次の